ぐるりのこと。
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悔しいが泣いたー。
台風の日のシーン。
私も翔子みたいに泣く事はいつかの時にあった訳なので、
ああいう時の感情が思い起こされてたまらなくなった。
実家がああいう感じで、夫もああいう感じで、
仕事も持っていて、
それで、ちゃんとしなきゃ...という考え方になるのは当然で
ちゃんとしなきゃ...で普段我慢するだけしていると、
限界に達しても言葉は上手く出ない、
家を飛び出すとか自傷とか具体的な何かも出来ない。
普段やっていないから、考えないから。ちゃんとしなきゃ...だから。
それで地団駄踏み踏みウロウロ...。
あのリアルさ、本当に辛い。
その一方で、私にはカナオ的な面も多分にあり、
近しい人にほど距離を取ったり、感情を露にしないというのも
はなはだ迷惑な場合もあると反省した...。
さて、夫婦の10年間の話なのだが、
夫カナオが法廷画家の仕事をするようになり
カナオはニュースに使うスケッチの為に裁判を傍聴する。
それには我々にもなじみ深い凶悪事件をモデルにした
公判シーンの数々が割と多く差し込まれている。
予告などの様子から、
その要素はかなりストーリーに絡んでくるのかと思っていたが
実際はそれほどでもなかったため、
正直「観づらいなあ...。」とその公判シーンが邪魔に感じる事少々。
コメンタリーで2回目を観たり、
監督インタビューを読んだ後は、
徐々に壊れていく翔子に対するカナオの接し方というのは、
(彼の生い立ちなどから思うに元々そのようなタイプかも知れないが)
仕事での経験からああいう風になったという解釈も
できるなとも思えたけど、
折に触れて、凶悪事件の詳細を載せているサイトを
ちょくちょく見て、調べて、考え事していたりした
(やましい事じゃないよー!w)
私としては、モデルになったあれらの事件は
「昔の事」という感覚は薄くて、
なおかつ、10年という歳月を表すだけにしては
公判シーンの一つ一つが強すぎで、
登場人物たちの微妙な心情を表す場面の印象が
とても薄くなってしまった。
それは掃除中に出て来たアルバムや書籍みたいなもので、
実際にあった事件の頃の思い出なんかが蘇っちゃうと、
作中の人物の「ぐるりのこと。」から
自分の「ぐるりのこと。」に意識がそれてしまうというか...。
メッセージ性を考えれば、結果的にそれでいいんだと思いますが。
さらに、リリー・フランキーがあまりにも素っぽいがゆえの、
ベテラン俳優の演技と不均衡な雰囲気にもやっぱり観づらさ感少々。
+++
と言いつつも、劇場公開の時から気になっていた作品だったので観られて満足。
リリー・フランキーは何冊か本も読んでいて好きだし、
木村多江も実は好き。
自分とは全く逆要素の顔立ちなので憧れがあったりして。
なんというか、
ほんとうに誰かといるのって面倒くさくって、
一緒にいる事で得られる楽しさとか嬉しさより、
面倒や大変なことの方が多い事が実際なんだけど、
一緒にいる事で時々キラっとした感じの嬉しさ楽しさが
得られたりして、
それはどんなに小さくてもなぜだか強くて、
またそれは忘れる事はあるけど
不思議と消えず減りもせず、
少しずつだけど心に溜まっていって、
小さなそれを思うと何故か頑張れたりするんだよなあ。
ほんとうは面倒くさいんだけどなあ...。
などとちょうど思っていた今日この頃だったので、
タイミング良くぐっと来るものがあった。
それで、
コメンタリー観て腑に落ちる事があるというのが腑に落ちない気もするけど、
ヘッドフォンして聞くと、
監督なのかリリーさんなのかスーピー的な鼻息が気になるけど、
普段コメンタリー観ないよって人にも
コメンタリーでの鑑賞をおすすめしておきます。
なんかの賞の場でリリーさんが
「あそこに翔子が貧乏臭く立っているだけで感無量。」
的な発言をして、
それを受けた木村多江は困ったように笑っただけ。
っていうのをTVで観たのがすごく面白くて印象的に残っていたのだけど、
まんまそのノリで進んで行くのは面白かったな。
橋口監督が意外に人事みたいに話したりするのも面白かったです。
そういえばレンタルだと特典DISCなかった...メイキング観たいな。







